今回の記事は就活であったり、何か自己紹介の文章を考えたりするときに使えるかもしれない村上春樹流の文章術について紹介しようと思います。
まずは村上春樹の文章とはどんなものか考えてみましょう。
思いつくのはやはりあの独特な比喩表現でしょうか。
あとは「いささか」とか「やれやれ」などの言葉が村上春樹のの小説にはたくさん登場します。
高校生ぐらいの頃、これらの言葉を実際に使おうとして少し痛い目を見たことがあります。
黒歴史です、ほんとに。
「わかるよ」って言って村上春樹の真似をすればモテるんじゃないかという考察をした記事。
まったく高校生の頃の反省ができていないのが分かりますね。
今回紹介しようとしているのは「いささか」とか「やれやれ」を使えっていう記事ではないので、安心してください、あくまで導入です。
この記事を書こうと思った理由は
この本を読んだからです。
ぼくはすごい村上春樹の本が好きなんですけど、彼の著書を全部読んだかっていうとそんなことはなくて、エッセイとかはまだ全部読み切れていないです。
今回もたまたま本屋さんをふらふらしてたら読んだことないこの本を見つけて、読んでいたらいいことが書いてあったので参考にしようと思いました。
村上春樹流の文章術とは?
その参考にしたい文章術に村上春樹本人が名前を付けているんですね。
その名前はというと
「牡蠣フライ理論」です!
名前だけみるとまったくもって意味が解らない。
この理論?が書かれたきっかけというのが就活生の読者からの質問にありました。
その質問というのが、
「原稿用紙4枚以上を使い、自分自身について説明しなさい。」という就活試験を受けたのですが、そんなにも書けませんでした。村上さんだったら簡単に書けますか?
みたいな感じです。
確かに、前もって言われていらならまだしも急に自分のことについて原稿用紙4枚以上で書けって言われたらけっこう大変ですよね。
この質問に対する村上春樹の回答が、
「牡蠣フライについて書いてみればいいじゃん」
なのです。
あなたが牡蠣フライについて書くことで、そこにはあなたと牡蠣フライのあいだの相関関係や距離感が自動的に表現されることになります。それはすなわち、突き詰めていけば、あなた自身について書くことでもあります。
村上春樹 雑文集より
牡蠣フライ=自分の好きなものだったり、興味のあること
牡蠣フライについて書いてみれば自然と自分自身が相対的にわかるよっていうアドバイスなのです。
牡蠣フライについて語る、故にぼくはここにある。
村上春樹 雑文集
そこまで言ってしまうかって感じです。
つまり牡蠣フライで自己分析をしようとしているんですね。
自己PRにおいて趣味とか学生生活で特に頑張ったこととかを書いたりすると思うんですけど、その書いたことが社会とか会社との関係においてどのように役立つかというのが重要なんだというのが改めて分かりました。
好きなこと・ものをどうやって会社で生かしていくのか。
牡蠣フライをどうやって社会で生かしていくのか。
牡蠣フライで考えると難しく思える。
ちなみにこの雑文の最後に実際に村上春樹が「牡蠣フライについて」の文章を書いてくれています。
冒頭の文は
寒い冬の夕暮れに僕はなじみのレストランに入って、ビール(サッポロ中瓶)と牡蠣フライを注文する。
村上春樹 雑文集より
これで始まります。
こちらの記事ではネコが出てくる本を紹介しています。
たくさん読んで文章の参考にするのもいいかもしれません。
気になった方はぜひ読んでみてください。